年に1度、日本チャンピオンを決める全日本選手権があります。

これは国内で開催されるマウンテンバイクのレースの中でも国際大会基準のポイントが日本で唯一獲得でき、なおかつこのレースに勝つと次の全日本選手権までは日本一の称号を得られる、国内では最も大きな大会となります。

毎年7月に開催されますが、今年は昨年と同じ会場の岐阜県ウィングヒルズスキー場でレースは行われました。
コースは全長1.7キロの急な斜面が特徴のテクニカルなコースで、昨年とは異なりコース後半部分がシングルトラックとなり、よりテクニカルな部分が増して走りごたえのあるコースとなりました。

この全日本選手権には、自分がエリートクラスに上がってから13回出場しており、過去3回優勝している実績がありますが、その勝率から考えてもなかなか勝てるレースではありません。

このレースで勝つと非常に大きな称号となります。そんなレースに2024年7月21日に参戦してきました。

今シーズン乗るバイクは、SantacruzのDH新型DHバイク「V10 8」です。
この新しいダウンヒルバイクはまだ紹介していないので、後日詳細を投稿する予定です。

通常、ダウンヒルシリーズやENSではエンデューロバイクを使いますが、今回はしっかりとしたダウンヒルコースなので、このバイクの出番となります。

今回のレースで一番厄介だったのが天気です。
会場には練習日前日の金曜日に入り、翌日の練習走行に向け準備ができました。

ただ、翌日の練習日は朝から大雨。このウィングヒルズの土質は濡れると柔らかい粘土のような泥が滑りやすい氷のような硬い路面に敷き詰められた状態になるので、コントロールが非常に難しい状況になります。

PC Atsushi Matsuda

ここで重要だったのがタイヤの選択です。翌日の決勝では晴れることが天気予報で予想されていました。

レースではドライタイヤを使うことが想定される中、土曜日の雨の中でもドライタイヤを使い続ける選択肢もありましたが、濡れた路面では全くバイクコントロールが効かなくなり、タイヤを変更しました。

この際、マッドタイヤとしてMAXXISのWerScreamを使用しましたが、マッドタイヤはタイヤノブが高いため、硬い路面を走るとノブがよれて接地感がなくなります。
そのため、タイヤ全体のノブを2ミリほどカットして使用しました。

公式練習日では5本走行し、走行ラインの確認やサスペンションの硬さなど機材面の調整を入念に行いました。

ウィングヒルズではレース前週に練習日があり、コースの状況などを前週確認していたため、レース前日の公式練習では、レースに向けて機材の最終調整を行うことを意識して練習をしました。

公式練習時に撮影したレースコース紹介動画もありますので、載せておきます。

公式練習の最後にある、「タイムドセッション」では、オーバースピードで立木に引っかかってしまい、大きく転倒をしました。

幸い大きな怪我はなかったものの、転倒しており当然良いタイムは見込めないので、ゴール前のジャンプでノーハンドを披露しました(笑)

PC Toshihide Suzuki

翌日、決勝日は朝から晴れ。朝の試走は1本だけ走行しました。

路面は乾いてきており、タイヤをMAXXIS の Assegaiに変更しました。
Assegaiはドライ〜セミウエットまで対応するタイヤで、少しノブが高く、根っこや岩を柔らかく捉えてくれるので、安心して走ることができます。

根っこや石の表面が滑りやすかったため、空気圧を1.7気圧から1.3気圧まで落としました。

とても低く感じますが、細かいギャップが多く、スピード域がそこまで速くないコースなので、グリップを優先したタイヤの気圧にしました。

決勝ラン PC Atsushi Matsuda

レース当日は予選と決勝があり、決勝の順位で最終結果が決まります。

前日のタイムセッションで転倒しており、自分の参考タイムがわからなかったのですが、安定して走れていたのでトップに入れる自信はありました。

予選では走行ラインを外さずに走ることを意識し、トップから0.4秒遅れの3位となりました。

予選リザルト

予選のタイムから見ても、少しのミスで大きく順位を落とす可能性があるため、決勝では絶対にミスを避けたいと思いました。

ミスが起こりそうなテクニカルセクションは少し抑え、後半のペダリングでアベレージスピードが落ちないように意識してスタートしました。

レースランでは、テクニカルセクションを問題なくこなし、ラインを外さずにきれいに走り切ることができました。
ゴールした時点でタイムを更新し、残り2名の選手を待ちましたが、自分のタイムには届かず、優勝が確定しました。

決勝リザルト

今回のレースでは、コース内で自分の得意な部分と不得意な部分を意識して走ることで、ミスをするリスクを最小限に抑え、上手くはまったレースだと思います。

全日本選手権特有のスタート前の緊張感は、言葉で表せないほど張り詰めていますが、その緊張感から良い結果で解放された時は特別な達成感があります。

全日本選手権という難しい大会で良い結果を残せるのも、日々のレース活動を支えていただいているスポンサー各社様のおかげです。

レースは良い結果ばかりではないこともありますが、これからも一戦一戦、目標に対して集中し、良い結果を求めていきます。

先ずは本当に良い結果が出せてよかったと思います!

決勝リザルト